イヤな思い出を消し去るには?
2026年2月5日 18時32分767 日目
学校安全総合支援事業「全国成果発表会」
がオンラインで開催されました
まずは 小川 正 輪島市教育長様からの
「災害を通して得られた教訓」の
基調講演がありました
教育長としてあの時
登庁することよりも
自分と家族の命を守ることを最優先するよう
指示をなさったそうです
私も全く同じ対応でした
一部の職員しか登庁できないことを見越しての
その上での防災計画の策定が重要である
と提言なさっていました
続いて本校から2年生2名が参加して
県立学校における災害対応力の強化について
発表しました
今年実践した防災避難訓練について
「時刻を設定しなかったことで
より緊張感を持ってできた」
「先生がいない時間帯を設定したことで
自分たちで考えて行動できた」
またまとめとして
「ただ復興するだけでなく
今までよりもっと
みんなが住みたいと思うような
街づくりをしたい」
「今回たくさんの出会いがあった
この全国や世界の人たちとの
繋がりを活かした
関係作りをしていきたい」
と頼もしい発言をしていました
学校保健委員会が開かれ
校医先生をお迎えして
アドバイスをいただきました
保健室への来校者数は
震災前に比べて激減しています
「いろいろなことに自信がない」
と答える生徒が
震災直後 43 % → 現在 13 %
「身体がだるく感じる」
25 % → 14 %
「相談できる大人がいない」
70 % → 46 %
とそれぞれいい方向に向かっています
とはいえ震災から2年が過ぎ
心の傷が癒えない生徒もいます
脳科学的に言えば
『体験』が『痛みの感情』と
リンクしている状態です
つらい思い出というものは
次回同じことが起こった際に
生命を守るために備わった
大切な機能です
通常は時間が解決してくれます
時間が経てば
『痛みの感情』が『快感』にシフトします
「あの出来事があってこそ
今の自分がある」
そう思えるようになるのです
このように
つらい思い出をリセットする能力が
人間には備わっているということは
スペインで列車事故があった時の研究で
明らかになったことです
しかしながら
地震のような大きな自然災害の際には
必ずしもそうとは言えず
痛みの感情を
ずっと持ち続ける人もいます
イヤな思い出は
どうすれば消すことができるのでしょうか?
不安や恐れを司る器官は『扁桃体』です
これが過剰に反応している状態が
イヤな思い出を
忘れられない状態です
『扁桃体』のはたらきを
鎮静化する脳内物質があります
『オキシトシン』です
『オキシトシン』を出すには
どうすればよいのでしょう?
簡単な方法がみっつわかっています
ひとつめ
「動物と触れ合う」
今回輪島高校避難所では
ペット同伴部屋を設けました
全国的に見ると
まだまだ理解が得られないようです
ペットの命だけでなく
飼い主の心のケアとしても
重要な課題です
ふたつめ
「誰かと話をする」
今回輪島高校では
発災後すぐに『街プロ』を始めました
登校できる生徒だけで
冷たい体育館で円座になって
「これからどうする?」
「ダメかもしれない」
そんな出し合い話から始めました
集まって話をすることは
大きな心のケアとなります
みっつめ
「甘いものを食べる」
これは経験的に納得できる方も多いのでは
以上みっつは全て脳科学の研究により
オキシトシンの分泌が増えるということが
立証されている事実です
もうひとつ
ストレスをひとつだけ抱えている人よりも
複数のストレスを抱えている人の方が
幸福度が高い
という研究結果もあります
ストレスがひとつだけだと
同じストレスを反芻してしまうのが
その原因であるようです
こうやって見ると
『街プロ』が思うように進まず
不安になることや
人間関係で悩むことは
災害からの心の復興という面では
いいことなのかもしれません
【話の玉手箱】第2話
少年院の教官の話
「以前
『先生に面会を見られるのが
恥ずかしかった』
と言った子がいました
少年院に来た時には
家族と面会するたびに
うれしくて泣いていた子でした
その反面疑心暗鬼の塊で
常に周囲を睨みつける子でした
野生児のような子でしたが
家族のことが本当に好きで
家族と会えない寂しさで
部屋で泣いたりしていました
少年院の中で成長していく中で
ある日突然に気づきました
自分の家族がみんな
『不良』だということに
母親や兄の言葉遣いと振る舞い
話の内容があまりにも幼稚で
不良少年がそのまま大人になっただけ
そのことに気づき
彼は愕然としたそうです
「家族には申し訳ないけど」
と前置きした後で
自分の家族とのやりとりを
他人に見られることが
本当に恥ずかしかったと
大好きだけど
家族が全て正しいわけじゃない
その気づきは彼の成長を
加速させました」