ご挨拶(学校長より)

 金沢北陵高等学校 校長の浅尾です。どうぞよろしくお願いいたします。
 本校は、昭和38年4月、「石川県立第二工業高等学校」として創立され、翌年改名した「石川県立
金沢松陵工業高等学校」を前身に、平成7年、本県で始めて総合学科を開設し、校名を新たに
「石川県立金沢北陵高等学校」と改称して、現在に至っております。
 1年生では他の普通科高校と同じように普通教科を学び、2年生からは普通教科だけではなく、
「進学」、「生活・福祉」、「ビジネス」、「工業」の4つの系列に分かれて、専門教科についても
学ぶことができます。
 生徒たちは様々な学習や活動を通して、自己の能力や適性を見出し、本校のキャッチフレーズである
『金沢北陵でつかむ未来の自分』に向かって元気に頑張っています。
 本校生徒から「この学校を選んでよかった」、中学生から「北陵高校に行きたい」という声が、
これまで以上に大きくなるよう、全教職員で一致協力して学校運営にあたり、保護者・地域住民から
信頼され、期待される学校づくりに努めてまいります。
 皆様方のご指導、ご支援をよろしくお願いいたします。
                               
                                  石川県立金沢北陵高等学校
                                  校 長  浅  尾 幸  代

校長のつぶやき

人と違った切り口

2021年11月4日 10時38分

昨年の試行を経て、今年度から本格的に始めた本校独自の朝学習「好奇心の種蒔」。

原則、月・金の朝10分を使って、本校先生方が作ったオリジナル問題に生徒が取り組み、25回目が過ぎました。

先日の『好種』問題はこんな感じでした。

“Aさんは犬を飼うことにしました。そのことを友達のBさんに伝えたところ、Bさんは「ペットを飼うのは人間の身勝手だ」といいました。Bさんの発言について、あなたはどう思いますか。160~200字で書きなさい。(『藤原流200字トレーニング(藤原和博 光村図書)』より抜粋)

生徒の答案を見ると、ペットを飼うことはむしろ良いことだという意見が多数。一方、殺処分の現状を知る生徒からBさんの言うとおり人間は身勝手だとの意見もあり、大きく2分されました。

生徒たちの答案の中で、はっと目を引くものを見つけたので紹介します。

「Bさんの発言はAさんを全否定している気がする。この発言は、Aさんがまるで何も考えずに飼うことを決めたかのように決めつけた心ない言葉だと思う。(~以下略)」

これは冴えた意見です。確かに、この問題は「Bさんの発言について、どう思うか」を聞いています。ペット飼うことの是非を越え、言い方・伝え方に焦点を当てた切り口で、読み手の印象に残ります。そう言えば、「そもそも『身勝手』って何だろう?自由と身勝手とどう違うのだろう?」と自問していた答案もありました。残念ながら途中で尻切れになっていましたが、私はこれは面白い着眼点だと思います。

これからの受験シーズン。小論文でも意見文でも、問いを正確に把握すること。そして、あなた独自の視点をアピールすること。この2つの力を付けていきましょう。

独自の視点ということで、本校の川柳の先生の最新作です。

努力と夢

2021年10月22日 13時29分

努力すれば、夢はかなうのか。

一握りの勝者の裏側には、大多数の敗者がいる。彼らの夢が叶わなかったのは、努力が足りなかったからか?

東京オリンピックの陸上男子400メートルリレー決勝。メダルを期待されていた日本チームは、得意のバトンパスでミスが出て、途中棄権に終わった。このレースで金メダルを目指すには、走者4人のスピードを落とさずバトンをつなぐギリギリのラインを攻めるしかない。そこに果敢に挑んでの結果を「努力が足りなかったから」と言えるだろうか。

アスリートの世界は、努力をすれば結果が必ず付いてくるほど甘い世界ではない。持って生まれた才能もいるし、何よりも運がいる。どんなに必死で頑張っても、夢や目標が達成できない経験は、人生で何度も何度も味わう。特に、スポーツはその現実を突きつけてくる。それ故、人それぞれの能力や環境の違いを見つめ直し、自分の限界や可能性を考えるきっかけになる。「努力」することの意味でもある。

「夢(希望)」は、苦しくて仕方ないとき、あなたの心を癒やしてくれる。マッチ売りの少女は、雪の降りしきる道路で、マッチを一本するごとに夢を見ていた。暖かいクリスマスパーティ、優しいおばあさんの幻像などを夢の中で見て、微笑みながら最期を迎える。夢(希望)は、どうしようもない苦しみに耐えるための必要アイテムだ。

しかし、夢ばかり追っていると、私たちは、夢と現実の落差を感じるようになる。この落差が、逆に、あなたの心を苦しめる。解決するためには、どうすれば夢に少しでも近づけるのか、そのルートを探ること。そして、一歩ずつ絶え間なく近づき続けること。この2つの行動しかない。「どうせ自分は~ 」と思ってすぐに諦める人、うまくいかないことを周りのせいにする人は、夢も持てないし、努力もできない。

 夢(希望)に向けてのルート探しの中で、当初とは違う夢を再設定しなければならないこともあるだろう。でも、再設定した新たな夢(希望)に向かって、一歩ずつ進む努力をし続けていけば、いつかは花が咲く。

 北陵高校は、キャリア教育を軸に据えている学校だ。特に1年生は、自分が進む方向に向かってのルート探しの旅が始まっている。本校での教育活動をうまく利用して、皆さんの夢(希望)に向けてルート設定を行って欲しい。 

先の見えない戦場

2021年9月13日 15時12分

先日の朝日新聞に、金沢市保健所を密着取材したリポートが掲載されていた。

現在の保健所の1日は、「職場には電話するな!」と迫る人、「何時になったら入院できるんだ!」とすごむ人、発症日までの行動を正直に話さない人、「保健所は見殺しにする気か!」と怒鳴る人、鳴り止まない電話の対応に明け暮れている。帰宅は連日深夜。睡眠は4.5時間。めまいや吐き気が続き、休養する人も出ている。毎金曜の昼には「カレー」がふるまわれる。曜日感覚を忘れないようにするためだ。

職員の「何時になったら終わるのか、先の見えない戦場です」という言葉に胸が詰まる。

2学期に入り、生徒諸君には「感染拡大防止で、今、あなたが出来ることを丁寧に」と言い続けているが、しんどい時には、限界で業務に当たっている保健所の方々を思いやってみよう。

 

 

私たちには翼がある

2021年9月1日 09時58分

本日の始業式で、生徒の皆さんに次のような話をしました。

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8月24日、東京パラリンピック開会式でのパフォーマンスが印象に残っている。

国立競技場を空港の滑走路に見立てて、そこから飛び立とうとしている小さな飛行機。13歳の車椅子の少女がその飛行機を演じている。でも、翼が片方しかない。でも、一生懸命飛び立とうとしている。そこに、個性的な様々な乗り物が集まって、その仲間達からの励ましで、片翼の飛行機は空に飛びたつ、というストーリー。

そのタイトルは 「We Have Wings(私たちには翼がある)」。大会公式ツイッターによると、人間は誰もが、自分の「翼」を持ち、勇気を出して、その「翼」を広げることで、自分の夢に到達できることを、テーマにしたようだ。

実際、日常生活に困難を抱えている方々はいらっしゃる。目に見える障害でなくでも、私たちにも「心の翼」が少々もぎ取られてしまったような苦しみを抱えている人たちはいる。そうした人達に対して、「何とかしてあげたい」という、周りの励ましや行動が、飛び立つための「翼」になるんだ、ということだろう。

 今回のパラリンピック開会式には義足モデルとして活動している海音(アマネ)さんも登場していた。彼女は、5歳からキッズモデルとして活躍し、小学4年の時に、ダンススクールの仲間とアイドルグループを結成。ところが、2年後、血管が炎症を起こす難病にかかり、右足が壊死したため、小学6年の7月に足を切断。その後、薬の影響で体重が30キロ以上増えて、「自分は変わってしまった」と感じ、学校に行けなくなり、街を歩くときも、ガン見されることに怯えて、義足をつけていることをばれないようにしていたらしい。

 彼女を変えてくれたのは、前回リオ大会の閉会式。そこには、世界的にも有名な義足モデルの方が登場して、きらびやかで堂々と義足で歩く姿に「義足は武器にもなる」と気づかされた。その後、モデルの活動を本格的に始め、その後はアパレルブランドからコマーシャルの声もかかるようになった。

海音さんは「私も義足を出して、同じような境遇の子に勇気をあげたい」と考えた。つまり、彼女は「勇気」という「翼」を送ってくれたのだ。

私たちも、周りの人にどんなサポートができるだろうか、どんな「翼」を送ってあげられるだろうか、少し考えてみないか。周りからのサポートや励ましを必要としている人は必ずいるし、皆さんなら応えてあげられるはず。

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2学期も、生徒の皆さんが充実した日々を送れるよう心から願っています。

 

あなたを助ける人は必ずいる

2021年8月27日 14時09分

先日、オンラインSTをしました。

次の文章は、その際、生徒の皆さんにどうしても伝えたくて送った内容です。

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8月13日の読売新聞に、関ジャニ∞の横山裕さんの話が掲載されていました。

彼が3歳の時に両親が離婚し、5歳の時に新しい父が出来たが、全くなじめなかったこと。小5の頃から、その後生まれた6つ下と8つ下の2人の弟たちや両親と計7人で一緒に貧しい生活をしていたこと。その後、母と義父が離婚し、「僕がしっかりしないと弟たちの将来がむちゃくちゃになる」と考え、2人を支えようと決めたこと。29歳の時、母が急逝し、2人の弟と大阪で共同生活をはじめ、実質、彼が生活費や学費の面倒をみていたこと・・・。などが書かれていました。その横山さんがこう語っています。

 

ジャニーズ事務所に入ってから、後輩も含めて年齢の近い仲間がどんどんデビューしていきました。自分はいつデビューできるのかという焦りや苦しさがありました。

勉強や進路のことで追い詰められていたら、一度リセットして違うことに切り替えてみるといい。何もやる気が起こらないなら、そういう時期だと思って休んでいい。

僕は中卒なのですが、33歳の時、番組の企画で高等学校卒業認定試験に挑戦。僕なりに猛勉強して合格しました。周囲の応援をプレッシャーに感じたけれど、失敗しても僕一人のせいではないという気持ちもどこかであった。重圧は一人で追わない方がいい。

最後に、若いって、本当にステキなことです。まだ見ていない世界は山ほどあって、何が自分にはまるかはわからない。これから何にだってなれる。自分で選択肢を狭めないでほしい。

親子関係に悩んでいる人は信頼できる誰かに一度、相談してみるといい。悩みを言い出せない気持ちも分かるし、相談しても前に進まなかったらつらい。けれど、一人で抱え込んでいても解決しない。一歩、勇気を出して踏み出してみてください。あなたは一人じゃないのだから。

 

人間、若い時は、必ず何かしらの重圧がかかってきます。そのプレッシャーが人間を強くさせてくれます。でも「もうムリ、限界だ!」と思う時もある。その時は、誰かにヘルプを求めて下さい。あなたを助ける人は必ずいるから。若い頃、苦労を重ねた関ジャニ∞の横山さんが、自分の経験から「あなた一人じゃない!」と強く言っている、本当にその通りだと思います。

北陵高校の先生方も、あなた達を全力でサポートします。何かあったら遠慮無く相談してほしい。また、顔の知れた先生に相談するのは厳しいというなら、国や県などが開いているSOS相談窓口に、是非声をかけてください。あなたを助ける人は必ずいるから。

 

勝敗を越えたところ

2021年7月21日 17時29分

東京オリンピック開会式が2日後となった。今回はどんな感動を味わえるだろうか。

前回のリオ大会で、自分が一番印象に残っているシーンはバドミントン(女子)ダブルスだ。壮絶な逆転劇で日本選手史上初の金メダルを手にした「タカマツ」ペア。手に汗握る決勝戦自体の感動もさることながら、表彰を終えた「タカマツ」ペアの松友美佐紀さんの言葉にシビれた。試合後、涙を流してインタビューに答える彼女のコメントの一部を紹介する。

 「試合をしていく上で、五輪で最後と決めている選手もたくさんいて、それが辛くて、いろいろな選手がいて、いまの自分がいる、もう戦えないと思うと辛かったです。」

 「苦しい練習が報われ、世界の頂点に立てて嬉しいです!」みたいな答えをするのかなと思いきや、優勝した松友さんは、相手ともう戦えない寂しさと感謝の念が、私の涙だと言い切った。試合後に、勝敗を越えて、対戦相手に思いを馳せる場面を、私は今まで見たことがなく、本当に驚いた。世界のライバルが自分を成長させてくれたという実感、それが、勝利の喜びよりも、もう試合ができないことへの寂しさを強調させたのだろう。

この夏は、「日本金メダル遂に○個!」とか「日本勝った!負けた!」で全国的に盛り上がると思うが、試合の勝ち負け以外の、様々なドラマや感動も併せて丁寧に見ていって、自分の価値観や見方を広げてほしい。

 北陵生諸君も、部活動の大会に出たり、就職選考や大学受験を受けたりと、勝負に挑む機会がやってくる。その時、「勝った!負けた!」とか「受かった!落ちた!」とかのレベルを超越する体験を一度でもいいから持てるといいなと思っている。そうした超越ゾーンに入るということは、そこに至るまでの死に物狂いの努力をし続けていることが前提にあるからだ。

 「自分はここまで努力できた。こんなに頑張れた自分を誇りに思うし、自分はメンタルも強い。あとの結果はもう気にならない。試合(受験)を楽しもう。」

 大きな勝負を前にして、このようなことを本心から思えるようになってほしい。

運を引き寄せる

2021年7月20日 08時31分

*終業式でお話しした内容のダイジェストです。

 大リーグで大谷選手が活躍しています。オールスター戦でもホームラン競争、そして先発ピッチャーと一番バッターの二刀流で出場し、活躍しました。自分もテレビで少しだけ見ましたが、凄く印象に残った場面があります。それは、試合で特大ホームラン打ったシーンでも、バッタバッタ三振をとったシーンでもありません。

 オールスター戦の直前、練習が終わり、ブルペンからベンチへ戻る途中、大谷選手は、外野の芝生付近に落ちていた“ゴミ”をさりげなく拾って、尻のポケットにしまったんですね。2秒くらいのほんのわずかな時間でしたが、ゴミを当たり前のように拾ったその場面が頭に焼き付いています。調べてみると、彼は公式戦でも、グランドにゴミが落ちていたら当たり前に拾って、ポケットに入れていたようです。なぜ、そんなことをさりげなくできるのか?

 それは高校時代、野球部の監督から学んだことの1つが、このゴミ拾いの大切さだったということです。

 「ゴミは人が落とした運。ゴミを拾うことで運を拾うんだ。そして自分自身にツキを呼ぶ。そういう発想をしなさい。」

 そう言われ続けた大谷選手は、高校時代に作成した目標達成シートの「運」の項目に「ゴミ拾い」を挙げ、それが習慣になり、メジャー公式戦でも続いているということなんです。

  運がいいとか悪いとか言いますが、「運」は自分の手で引き寄せるもの、待っていても何も変わらない。目に見えないだけで、実は転がっている「運」を、自分の力で引き寄せことが必要です。でも、そのためにはどうすればいいのか。

 それは、回りの人から感謝されるような行動を続けることだと考えます。「ゴミを拾った」「ニコッと笑って挨拶をした」「お年寄りに席を譲った」「家の手伝いをした」等、さりげないちっぽけなことでいいんです。大谷選手のように、それを繰り返して、習慣にしてしまえば、自分で運を引き寄せられると思います。

 昨日の業後、今夏ボランティア活動を行う「サマーボランティア説明会」が開催され、多くの北陵生が参加していました。彼らにとって、幸運を引き寄せる1歩になることを期待しています。

人命か報道か

2021年7月16日 13時37分

今日の朝学習(好奇心の種蒔)は、以前ピューリッツァ賞を受賞した写真「ハゲワシと少女」に関連して、あなたは「人命かそれとも報道か」の意見を書く内容でした。

学校のクロムブックを総動員した結果、生徒の打ち込んだ意見を短時間で集約できました。生徒の意見は、人命優先、報道優先と大きく分かれましたが、次のような深い意見もあって読むのが楽しかったです。

「私は、写真を撮ってからでなく、撮る前に助けた方が良かったのではと思いました。でも、だからといって撮影者の言い分を聞かずに誹謗中傷するのは違うと思うし、誹謗中傷の結果、自殺に追いやった人々こそ、嫌悪されるべきではないでしょうか。そういう人達は、結局、弱いものを狙うハゲワシと同じなんだと思いました。」

 

 

 

 

 

 

本を読むとどうなる?

2021年7月7日 15時38分

前回、拡散的思考を持って、多様な見方・価値観を獲得しませんかと言いました。そのためには「読書」がお薦めです。「読書」と言えば、タレントの芦田愛菜さん。自称「活字中毒者」で、小学高学年で年間180冊、中学で年間100冊以上読んできたそうです。彼女の書いたお薦め本紹介『まなの本棚』を手に取ってみましょう。彼女と同世代の生徒諸君にとって、等身大の1冊が見つかります。

その芦田さん、昨年、主演映画の完成イベントで、その映画のテーマである「信じるってどういうこと?」について、記者から質問を受け、丁寧な受け答えをしていました。何度か「何だろ?」と考えながら言葉をつむいで、自分の言葉で語り、しかも、奥深い発言内容であったことに心底驚きました。以下は、その時のコメントの抜粋です。

「『その人のことを信じようと思います』っていう言葉って、結構使うと思うんですけど、それがどういう意味なんだろうって考えたときに、その人自身を信じているのではなくて、自分が理想とする、その人の人物像みたいなものに期待してしまっていることなのかな、と感じて・・・」

「人は『裏切られた』とか、『期待していたのに』とか言うけれど、それは、その人が裏切ったとかいうわけではなくて、その人の見えなかった部分が見えただけであって、その見えなかった部分が見えたときに、それもその人なんだと受け止められる揺るがない自分がいる、というのが、『信じられる』ことなのかなって思ったんですけど・・・」

 以前に話した「メタ認知(より良い気づき)」ってのは、まさにこの考え方なんです。自分の感情や行動を客観的に見るもう一人の自分を作りだしています。多様な見方を持って、より良い解を考え続けることができる聡明な若者が日本にもいるんだと、うれしくなりました。彼女には、タレント業のみならず、オピニオンリーダーとして、若い人たちへもっとメッセージを送って欲しいと思った次第です。

さて、本校図書館の入口と入った内部です。手に取りたくなる本がうまく配置されています。

雪が溶けると

2021年6月25日 15時51分

有名な逸話です。ある小学校の先生が、子ども達に「雪が溶けたら何になる?」という質問をしました。もちろん、先生は「水になる」という科学的な答えを求めていたのですが、一部の児童は「春になる!」と答えました。子供の素直な感受性と、自由な発想が見事に表れた例としてよく取り上げられます。

でも、私はもう少し別の見方で捉えています。それは人の思考スタイルには「収束」と「拡散」の2つがあるということです。学校では、テストや授業での質問を通して、唯一の解答を求めることが多く、また、生徒たちもそれを当たり前のことと考えています。これが収束的思考。一方、実社会では、簡単に解の出ない問いに対応することがむしろ多く、一つの事象(出来事)から自分の発想を広げ、多様な見方で、より良い解を考えていく力が必要。これが拡散的思考です。本物の「学力」は、この収束・拡散のバランスが取れた思考力だと思います。

今年度、本校の朝学習の中で「好奇心の種蒔」と称し、先生方手作りの問題や読み物を出題しています。3ヶ月終わり、やややクイズっぽくなってきたな、収束させる問いに偏ってきたなと感じています。期末考査が終わったら、もう少し自由記述的な問いを取り入れます。生徒諸君には、単なる暗記でなく、自分の頭で考えてみて、実はいろんな見方や価値観があることに気づいてほしいな、と心から願っています。

さて、保健の先生の力作ポスターが第3弾、第4弾と続いて張り出されています。前回言ったように、自分で自分をコントロールする力が必要になっています。