7時34分発の新幹線で東京に向かいました。40人全員揃って出発です。

午後からは、三つに分かれて、東京大学研修および研究室訪問です。
A隊は先端科学技術研究センター(駒場リサーチキャンパス)細胞連関医科学分野星野歩子教授によるエクソソームによる細胞が発するメッセージについてでした。エクソソームがもたらす医療分野の未来にワクワクさせられました。また、研究室では細胞の培養方法を体験させてもらったり、分析機器で結果がどのように見えるかなど、研究の一端に触れることができました。



B隊は素粒子物理国際研究センター(本郷キャンパス理学部)森 俊則名誉教授による模擬講義およびスーパーコンピュータなどのセンター訪問でした。講義では、素粒子をわかりやすく説明してくださり、宇宙空間はどのように形成されたか、ダークマターのように明らかになっていないものがまだまだ数多くあることなど教えていただきました。



C隊は定量生命科学研究センターの岸悠介教授によるエピジェネティクスによって過去の経験から体質が変わることについて講義いただきました。この研究が進むことで、ゲノム編集によりアルツハイマー病やパーキンソン病の解明、さらには治療薬の開発につながるということで、サイエンスと医療の連携を知ることができました。



B隊とC隊は本郷のキャンパスで一緒に安田講堂前で記念写真を撮りました。

その後各自夕飯を東京都内でとり、七時半からは、理数科OB8名による懇談会を行いました。生徒は勉強方法や入試のこと、大学での研究内容など、さまざまな質問をしながら、これからの生活に夢を描いたり、不安を和らげている姿が見られました。



2日目はホテル機山館を出発し、借上バスで東京科学大学大岡山キャンパスに向かいました。東京大学とはまた雰囲気が異なるキャンパスにワクワクしながら、3つの研究室訪問をしました。

環境社会理工学院融合理工学系高橋邦夫研究室ではイモリがなぜ壁を登れるのかについて物理学的に解明し、その仕組みを再現したり、水溶液の温度差を利用して発電するしくみを作り上げるなど、身近な現象を活用する面白さを教えていただきました。なぜ?を大切にしてほしい!というメッセージは生徒の心にも響いていました。


デザイン工房〜エンジニアリングデザインプロジェクト〜因幡和晃教授によるデザイン思考について、学生が実際に企業からの依頼を受けて作ったプロトタイプを紹介していただきました。AIがこれからますます進歩するからこそ、答えを導き出すことより、課題の設定やより良いリサーチクエスチョンを立てることが大切であるというお言葉に、生徒はハッとさせられていました。


工学院機械系武田行生研究室では、人々と共存するロボットとは何かを大切にしながら、主に医療分野で活躍するロボットを紹介していただきました。立ち上がり支援システムや半身不随の方を支援するロボット、人と共存するために必要となるなめらかな動きを再現する連続体ロボットなど、さまざまな形のロボットを実際に見せていただき、興味津々で聞いていました。


お昼はつばめテラスで昼食をとり、大学の雰囲気を体感できた一日でした。18時32分に小松駅に到着し、40名無事帰宅しました。
このツアーの実施にあたり、本当に多くの方のご協力をいただきました。生徒はこの行事を通して、進路を考える良い機会となりました。ご協力をいただいた皆様、本当にありがとうございました。
1年普通科の「理数探究基礎」がついにスタートしました。
開講式ではまず、現3年生のプレゼンテーションビデオを視聴し、2年後の自分たちが到達すべき高い壁と、その先にある達成感をイメージすることから始めました。
続く概要説明では、「味噌の熟成期間と味の関係」を例に、探究の肝となる「問いの立て方」について考えました。単に「味はどう変わるのか」という漠然とした疑問では、研究は前へ進みません。「塩分濃度はどう変わるのか」というように、焦点を一点に絞り込むことで、初めて研究は深まります。
この絞り込みを行うことで、生徒たちは「滴定」といった自分たちがまだ知らない適切な実験技術の必要性や、そこから得られるデータの重要性に気づき、科学的な手法を学ぶことへの理解を深めました。
探究学習には、大きく分けて「課題・仮説の設定」「実験・調査の技術」「結果の処理・分析」という3つの柱があります。これらはどれも欠かせない要素ですが、本講座の1学期では、まず3番目の「結果の処理の方法」を徹底的に身に付けることからスタートします。
データサイエンスの手法を用い、数値をグラフ化して関連性を明らかにする。その「結果を処理する技術」こそが、あらゆる探究を支える確かな土台となります。この1学期で、一生モノの武器を手に入れてほしいと願っています。

本校SSH推進室の「究めるものづくり研修 サイエンスフィールドワーク 教科書から飛び出す化学式のリアリティを体感しよう@根上工業」を3月25日(水)に開催。本校1・2年生27名が能美市の根上工業株式会社を訪問しました。同社は、何よりも「化学が好き。」という純粋で強い信念のもと、独自の高付加価値なポリマー製品を展開している企業です。
冒頭の会社説明では、同社の技術が驚くほど身近な場所で使われていることを学びました。化粧品のさらさら感を演出する微粒子ポリマーをはじめ、ペットボトルのラベルの質感制御など、日用品の付加価値を高めるために同社の技術が欠かせない存在であることを知り、生徒たちは大きな驚きを感じていました。
見学や実験のプログラムでは、顧客の細かなニーズに合わせて硬いものから柔らかいものまで、性質を厳密に作り分けられる高度な制御技術を目の当たりにしました。見学メニューの一つである懸濁(けんだく)の工程では、顕微鏡モニターに映し出された、青色の美しい油滴を食い入るように観察。さらにポリマー合成の実験では、物質を混ぜ合わせることで、最初はシャバシャバとしていた液体が分子同士の結合によって徐々に粘りが出てくる様子を確認しました。反応が進むにつれて熱が発生するという専門的な解説を受け、目に見えない化学反応のダイナミズムを学びました。
また、同社の製品を使用したオリジナルボールペン作りにも挑戦しました。ここでは、光を当てることで固まるポリマーの特性を活かし、自分たちだけのペンを制作。出来上がったボールペンを、生徒たちは嬉しそうに眺めていました。一見同じに見える物質が、設計次第で全く異なる機能を持つという事実は、日頃の教科学習が社会の実装へと繋がる奥深さを実感させるものでした。

本校主催の「究める課題研究発表会」を、3月15日(日)にサイエンスヒルズこまつにて開催しました。この発表会は、生徒たちが日頃取り組んできた探究活動の成果を学外へ発信し、専門家や他校の生徒との交流を通じて、より深い洞察を得ることを目的とし実施。今回で3回目となりました。
午前中の講演会では、名古屋大学参与で日本天文学会理事長の國枝秀世先生をお招きし、「自然に学ぶ、世界と学ぶ」と題してお話しいただきました。最先端のX線望遠鏡を用いた宇宙観測の現状や、世界の研究機関と協力し未知の領域に挑む姿を紹介され、「自然は人類の知らない仕組みを持って、人類が追いついてくるのを待っている」という力強いメッセージが贈られました。
午後は、中学生・高校生によるポスター発表会が行われました。本校をはじめ県内外から総勢220名を超える生徒が集まり、11名の専門家を講評者に迎え、これまで取り組んできた探究の成果を披露しました。今回はオンラインで韓国のテジョン科学高校も参加し、昨夏から合同研究を進めてきた本校理数科の生徒と、英語による研究発表が行われました。会場では、講師陣からの鋭い指摘に真剣に耳を傾ける姿や、学校の枠を超えて互いの研究成果を議論し合う姿が随所で見られ、「知の交流」が探究心をさらに加速させる時間となりました。
また、このポスター発表と並行して、本校理数科や他校の高校生による、小中学生対象実験講座も開かれました。会場内の各ブースでは、高校生たちが工夫を凝らした実験が用意され、多くの小中学生や親子連れが楽しみながら科学に触れました。教える側の高校生にとっても、専門的な内容を分かりやすく伝えるという新たな挑戦の場となり、会場全体が世代を超えて科学を楽しむ熱気に包まれました。

SSH推進室の「究めるものづくり研修」の一環で「起業家育成講座」を2月26日(木)、本校の探究ルームにて開催しました。講師に株式会社ガイアックスの村上純一郎氏をお招きし、1・2年生の希望者を対象に行いました。
講座の前半では、実際の事例を交えながら、起業において最も重要な「課題の解像度」を上げる思考法を学習しました。ビジネスの種となる「困りごと」を探る際、単に有無を問うのではなく、相手が解決のために現在どれほどの時間や費用、労力を費やしているかを具体的に深掘りする重要性を理解しました。また、多くの人が切実に解決を望んでいるか、代替手段に対して優位性があるかなど、ビジネス成立に必要な4つの条件についてもワークシートを通じて詳しく考察しました。
後半は実践編として、既存のサービスにAIを掛け合わせたビジネスアイデアの構築に挑戦しました。さらにAIツール「Gamma」を活用し、考案したアイデアを検証するためのウェブサイト型プロトタイプをその場で作成しました。生徒たちは、最新技術を駆使して自分の考えを瞬時に形にするスピード感を体験し、市場のニーズを具体的に探るための実践的なプロセスを肌で感じる貴重な機会となりました。
