SSH活動記録

【人文科学コース3年生】文理の枠を超えて未来を拓く:地理・経済・生物基礎が交差する「カーボンニュートラル探究」

2025年11月6日 15時50分

11月5日(水)「人文科学課題研究Ⅱ」

小松高校人文科学コース3年生では、教科の枠を飛び越えた領域融合型の学びを展開しています。

今回のテーマは、現代社会が直面する最重要課題の一つである「地球温暖化」です。
この課題に対し、生徒たちは「地理」「経済」「生物基礎」という3つの異なる視点からアプローチし、持続可能な未来(カーボンニュートラル)のあり方を模索します。

【多角的な視点で捉える地球の課題】
地理と経済の視点:地球規模で進行する環境変化を「地理」の観点から俯瞰し、その対策としての「カーボンニュートラル」が社会の仕組みや「経済」活動にどのような影響を与えるかを深く考察しました。

 

生物基礎の視点(実証実験):理論だけでなく、科学的な裏付けを得るために「生物基礎」に関連する実験を行いました。

【プロセス1:問いと仮説の設定】 まず、地球環境(地理)と経済活動の関連性を学ぶ中で、生徒たちは「二酸化炭素の増加が実際にどれほど温度上昇に寄与するのか」という問いに対し、独自の仮説を立てるところからスタートしました。
【プロセス2:科学的実証実験】 立てた仮説を検証するため、生物基礎の知見を活かした実験に取り組みました。
• 実験の実施:酸素と二酸化炭素をそれぞれ発生させ、白熱電球を太陽光に見立てて光を照射しました。
• データの可視化:時間の経過に伴う温度上昇を温度センサーによって精密に測定し、その結果をスプレッドシートでグラフ化しました。

 

【プロセス3:体験的な理解と統合】 実験の結果、酸素と二酸化炭素での温度上昇の違いを直接確認することで、生徒たちは温室効果ガスの影響をリアルな実感として体験しました。

 

この「仮説→実験→検証」というサイクルを通じて得られた知見は、単なる科学的データに留まりません。

カーボンニュートラルという経済的・社会的な目標を、「確かな科学的根拠(エビデンス)」に基づいて議論するための基礎となります。

小松高校のSSHでは文系の視点に理数的なアプローチを融合させることで、より多角的で深い学びを実現しています。

 

【理数科2年生】理数科課題研究口頭発表会(中間発表会・「究める課題研究口頭発表会」)~理数各分野における探究成果の発表~

2025年11月3日 17時05分

11月1日(土)@小松高校視聴覚室

 理数科2年生の「課題研究口頭発表会」を開催しました。

理数科1年生全員が参加しました。また、学校公開日だったので多くの保護者の皆様、地域の方々にもご来場いただきました。ありがとうございました。

生徒たちは、これまで取り組んできた研究の成果を堂々と発表し、互いに学びを深める貴重な機会となりました。

開会にあたり、校長先生より、生徒たちが主体的に探究を進めてきた姿勢への励ましと、

課題研究が将来の可能性を広げるものであることについてのお言葉をいただきました。

 

今回の発表会は、年度途中の“中間報告会”として位置づけられており、生徒たちはこれまでの探究の過程や現時点で得られた成果を、論理的にまとめて発表しました。

また、この会は「こまつ研究サポートプログラム」の一環で、大学の先生方が講評者として参加してくださり、貴重なアドバイスや質問をしていただきました。

参加してくださった講評者の先生方は

金沢大学 能登里山里海未来創造センター 特任教授 信岡尚道先生

金沢大学 理工研究域 数物科学系 教授 武田真滋先生

石川県立大学 生産科学科 植物基礎系 教授 弘中満太郎先生

公立小松大学 生産システム科学部 生産システム科学科 准教授 朴 亨原先生

金沢大学 理工研究域 数物科学系 准教授 川上 裕先生

金沢大学 ナノ生命科学研究所 准教授 宮田 一輝先生

です。また、石川県教育委員会学校指導課より荒納健太郎先生がご参加くださり、

講評をくださいました。

                     

 アジに含まれるバクテリアの走化性と忌避・誘因物質    地震発生による津波に対して最も効果的なテトラポットの考察  

                   

  耐震性のある石垣の積み方に関する研究                   9つの点問題の拡張

                

  BZ反応における撹拌数と反応速度の関係        コクヌストモドキの擬死行動の持続時間に影響する要因

                     

   吸熱反応の持続性向上に向けた実験的検証            モナズ石を用いた物質分布の測定

   

  直線上を回転する楕円の周上の点が描く軌跡     入力点群によるシュタイナー木問題の解の性質

物理・化学・生物・地学・数学といった多様な分野にわたる研究が披露され、互いの発表を通して新たな視点や課題を見つける機会となりました。

なお、課題研究はここで終わりではなく、今後も継続して取り組んでいきます。今回の発表で得られた助言や気づきをもとに、さらに探究を深め、最終成果へとつなげていく予定です。

 

また、この会は小松高校SSHの取組を普及する目的として、JST(科学技術振興機構)による交流会支援(3年目)「究める課題研究口頭発表会」を兼ねています。

今年も星稜中学・高等学校科学部のみなさんが発表してくださいました。ご参加ありがとうございます!

            

  星稜中・簡易的なDNA抽出における種間差の検証   星稜中・高・洗剤を用いた気泡の強度を高める方法     

               

  星稜高・吸水による紙の変形と紙の種類の関係    星稜高・水圧によって生じる不思議な現象の検証

星稜中学・高校の生徒、小松高校の生徒の双方から、活発に質問が出ました。

       

課題研究発表会で、生徒のみなさんが積極的に挙手して質問することには大きな意義があります。

質問を通して、発表内容への理解が深まるだけでなく、発表者自身も新たな視点や改善点に気づくことができました。

会場全体で活発なやり取りが生まれたことで、研究そのものがより深まります。
このような双方向の交流は、研究発表において重要で、生徒一人ひとりの思考力や表現力を高める貴重な機会となりました。

多くの質問が出たことは大変有意義でしたが、その影響で終了時刻が遅れ、運営として不行き届きな点がございました。参加者の皆様、講評者の皆様にはご迷惑をおかけし、深くお詫び申し上げます。

 

【1,2年生】チームワークで勝負!科学の甲子園 石川県予選に参加しました

2025年10月20日 14時00分

10月18日(土)@美川スポーツセンター

「科学の甲子園 石川県予選」に

理数科2年生4チーム、理数科2年生普通科2年生1チーム

理数科1年生4チーム、理数科1年生普通科1年生1チーム、普通科1年生2チーム

12チームが参加しました。

1チーム6~8名で構成されています。

大会では、物理・化学・生物・地学・数学・情報の6分野にわたる筆記競技(6人出場)と、チームで協力して課題に取り組む実技競技(4人出場)が行われました。

本校のチームは、これまで放課後や休日を活用して準備してきた知識と経験を生かし、落ち着いて競技に臨むことができました。

生徒たちは、練習で培った知識や技能を発揮し、互いに声を掛け合いながら課題に挑戦しました。競技後には「練習の成果を出し切れたけど、課題もたくさん見つかった」「チームで協力する楽しさを実感できた」といった感想が聞かれ、充実した表情が印象的でした。

今回の経験は、科学への理解を深めるだけでなく、仲間と協力して課題を解決する力を育む貴重な機会となりました。今後の学習や活動にも、この経験を活かしてほしいです。

 

          2年生                       1年生

【科学系部活動】最速の下り坂を求めて!「究める実験教室 in どんどん祭り」

2025年10月13日 22時50分

10月12日(日)10:30~15:00 @サイエンスヒルズこまつ

科学系部活動(理化部、生物部、天文数学同好会)に所属する生徒が小松市のどんどん祭りで実施しました。

今回のテーマは、物理と数学の歴史的な難問でもある「最も早く下れる下り坂はどのような形か?」という実験です。

 

【実験の問い】
横30cm、縦4cmという決まった高低差のなかで、どのようなカーブを描けば玉を最も早くゴールまで到達させることができるでしょうか? 空気抵抗や摩擦を無視すれば、坂を下りきった瞬間の「最終的な速さ」はどの形でも同じになります。しかし、「降下中の速さ」や「移動する距離」は曲線の形によって異なるため、ゴールにたどり着くまでの時間には差が生まれます。

 

参加者(ほとんど小学生の方!)一人に小松高校生が一人ついて、以下の手順で検証を行いました。


1. 形を考える: 予想される坂の形を紙に書いてもらいました。

 関数を考えて、グラフソフトを使って、手書きの図をパソコン上でグラフ化しました。

 

2. 制作: レーザーカッターを使い、パイル板から正確な曲線を切り出しました。

  

 

3. 走行と解析: 実際に玉を転がし、その様子をカメラで撮影。撮影した動画を解析し、データをスプレッドシートにまとめて時間を比較しました。

   


【理論上の答えと歴史】
数学的な理論上、この「最速降下曲線」の正解は「サイクロイド」と呼ばれる図形であることが知られています。
この問題は、かつて数学者ヨハン・ベルヌーイが提起し、あのアイザック・ニュートンが一晩で解いてしまったという驚きの逸話が残っています。当時、期限内に解答を導き出せたのは、ニュートンのほかにライプニッツ、ヤコブ・ベルヌーイ、ロピタルといった歴史に名を残す天才たちだけでした。たとえるなら、 この実験は、「近道だけどスピードが出にくい平坦な道」「遠回りだけど勢いがつく急な坂道」、どちらが先に目的地に着くかを競うレースのようなものです。サイクロイドは、その「勢い」と「距離」のバランスが最も完璧に保たれた、究極のルートなのです。

 ということを

部員の一人が勉強して提案し、部員みんなで色々話し合い、考えて準備してきました。

実際に来場した小学生にわかりやすく、楽しんでもらえるよう一生懸命解説していました。

一緒に来場した保護者の皆様もとても楽しんでくれていました。

「数学の時間にやったのを思い出したわ~」とか「懐かしいなあ」と言ってくださった保護者の方もいらっしゃいました。


実験では、計算通りにいかない「現実の条件(摩擦など)」も考慮しながら、どの形が最も有利かを考えるようアドバイスしていました。

本来であれば、難しい微分方程式から導かれる答えを、実際に小学生に自分の手と目で確かめてもらえる貴重な機会となりました。それよりも、高校生自身が勉強になったと口々に話していました。

 

材料費としてご参加いただいた皆様から100円いただきました。

集まったお金はすべて能登半島地震の被災地へ募金いたしました。


ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!

 

【理数科2年生】課題研究中間報告会「こまつ研究サポートプログラム」②・教員向けの探究活動指導研修 「探究スクラム」

2025年10月1日 12時35分

9月16日(火)、30日(火)

理数科2年生の課題研究に関する 中間報告会(第2回) を実施しました。

前回に続き、大学の先生方から専門的な視点で助言をいただき、生徒たちは自分たちの研究内容をさらに深める貴重な機会となりました。

生徒たちは研究の進め方やデータの扱い方、発表の構成などについて積極的に相談し、研究の質を高めるための多くの示唆を得ていました。

参加した生徒からは、                   

「研究の改善点が明確になった」
「大学の先生と話すことで新しい視点が得られた」
「次のステップに向けてやるべきことが見えてきた」

といった前向きな声が多く聞かれました。

 

さらに、今回の中間報告会で得たアドバイスをもとに、今後は研究内容を整理し、口頭発表会に向けて発表資料の作成や説明の練習にも取り組んでいきます。

大学の先生方からの助言は、発表の質を高めるうえでも大きな支えとなり、生徒たちの自信にもつながっています。

    

また、生徒の探究活動をより充実させるために、教員向けの探究活動指導研修 「探究スクラム」 も併せて実施しました。

この2回をあわせて他校から5名の先生が参加してくださいました。

探究の指導方法について、意見交換を行い、困り感などを共有しました。
教員自身が探究的な学びのプロセスを体験し、指導力を高めることで、生徒の課題研究をより効果的に支援できる体制づくりを進めています。